TOP 技術ブログ ふーしー編集長のAIラボ 第3回 生成AIを業務で使う~その1~
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第3回 生成AIを業務で使う~その1~ 2025.09.29

生成AIを業務で使えるととても便利ですね。

でも業務利用と言っても色々な利用方法があります。

①業務情報を必要としない利用方法
生成AIの学習済知識だけを使う。この使い方は業務情報そのものは必要ありませんね。

例1)文章を要約する
例2)目的とするExcelのマクロ(VBA)を作ってもらう
例3)企画やアイディアを練る時、生成AIを壁打ち相手(相談相手)にする

②業務情報を必要とする利用方法
 こちらが生成AIを業務で使う場合、重要になってきます。

生成AIについておさらい

 まず、そもそも生成AIは何を知っているのか?ということをおさらいして
 生成AIが知らないこと(会社の規則や業務情報など)を生成AIにどうやって
 与えたらいいか?についてお話ししたいと思います。

  • 生成AIはインターネット上の大量なデータを学習しています。
  • 学習時期後の知識は持っていません
  • 例えば最後の学習時期が2023年4月の場合、2024年のMLBワールドシリーズでLAドジャースが優勝したことを知りません。(聞いても応えられません)
  • もちろん特定の企業の社内規定や業務情報の知識も持っていないと言うことになります。

生成AIが知らない情報を与える3つの方法

 それでは生成AIが知らない情報を与える3つの方法について説明します。

# 方法
1 In-content Learning(文脈学習)の活用
2 RAG(Retrieval Augmented Generation)の利用
3 LLM自身が必要とする情報を「AIエージェント」を使って取得する

①In-content Learning(文脈学習)の活用
プロンプトに質問と質問に関連する情報を「文脈」として書き込んで生成AIに与える

試しにChatGPTに確認してみましょう。
まずは、文脈情報を与えない場合は、どうなるか見てみましょう。

次に文脈情報を与えた場合は、どうなるか見てみましょう。

現実的には、このように自分への質問に外部情報として文脈を与える、ということはありませんよね。
文脈学習の入力例は、生成AIには文脈学習という機能を持っている、ということを知ってもらうためです。

この文脈学習を応用して生成AIに業務情報など外部情報を与えることができる、と言うことを覚えておいてくださいね。

業務情報などを文脈として生成AIに与えることはとても有効なのです。
しかし、毎度、人が入力するとしたら、面倒だし、誤入力もありそうです。
生成AIには生成AIを利用するアプリが作れるようにAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を
持っています。アプリを作って生成AIを利用すると簡単に業務情報を生成AIに与えることができます。

その手段に「RAG(ラグ)」というものがあります。

②RAG(Retrieval Augmented Generation)の利用

  1. 生成AIが学習していないトピックスにも回答をしてくれる仕組み
  2. 質問に類似した情報を参考情報DBから検索して、結果を生成AIに与えて文脈学習をさせる

RAGは、社内規則や業務情報などの「ドキュメント」を生成AIに与える方法として適しています。
言い換えると、ドキュメントの改定/更新間隔が長い場合に適しています。
しかしRAGは、「旬な情報」(リアルタイムに変化する業務情報)や「外部のデータ」を
生成AIに与える方法としては適していません。
「旬な情報/外部情報」を生成AIに与える手段として「AIエージェント」があります。

はい、第3回の「その1」はここまでになります。

次回、第4回では「生成AIを業務で使う~その2~」として、
③LLM自身が必要とする情報を「AIエージェント」を使って取得する
についてお話します。