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第6回 MCPサーバによるIoTデータの生成AI活用 2026.02.12

前回は、「MCP」の可能性についてお話ししました。
「理論は分かったけど、実際にどんなことができるの?」そう思っている方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は、ついに実践編です。
実際にMCPサーバーを試作してみましたので、そのリアルな効果と面白さをお届けします。
今回のテーマは、製造業にとって非常に重要な課題である「電力データを使ったCO2排出量の分析」です。
地球温暖化対策として、工場のエネルギー消費を抑えることは必須ですよね。
そのためには、まず現状をしっかりデータで「見える化」し、
どこに問題があるのかを「分析」することが第一歩となります。
そこで、この身近で大切な課題をテーマに、生成AIの実力を試してみることにしました。

今回構築したシステムは、こんな感じです。
まず、弊社のデータ収集デバイス「PUSHLOG」を使って、現場に設置された電力計のデータを収集します。
そして、そのデータを生成AIに渡して分析してもらう、という流れです。

PUSHLOG MCPサーバを試作

その二つの架け橋となるのが、今回試作した「PUSHLOG MCPサーバ」です。

さて、ここからがポイントです。
MCPサーバーと生成AI、それぞれにどんな仕事をお願いしたのか見ていきましょう。
MCPサーバーには、正確さを必要とする次の仕事を担当してもらいました。

  • PUSHLOGを使った電力データの収集
  • 消費電力量、CO2排出量、電気料金の計算

ここで、「あれ?計算なんて生成AIでもできるんじゃない?」と思った方、素晴らしい視点です。

実は、生成AIは数学的な計算がちょっと苦手なんです。 というのも、生成AIは厳密に計算しているのではなく、
「この単語の次に来る確率が最も高い単語はこれかな?」と予測して文章を作っているだけ。
そのため、答えが一つしかない計算では、意外な間違いをすることがあります

ですから、間違えられない計算は、MCPサーバーのような外部ツールに任せるのが安心です。
これが生成AIを賢く使いこなすコツなんです。

一方、生成AIには、その創造的な能力が活きる仕事をお願いしました。

  • 集まったデータの可視化(分かりやすい表やグラフ作り)
  • データからCO2排出量が増減した原因を推測

このように、生成AIの「得意」と「苦手」をしっかり理解して役割分担することで、初めて精度の高い、本当に役立つシステムが完成するんですね。

試作のシステム構成は次のようになっています。

では、実際に汎用生成AIアプリである「Claude desktop」にPUSHLOG MCPサーバを接続して実行した実際の画面を紹介します。

(Claude desktopの起動画面)

Claude desktopはMCPに対応しています。このClaude desktopにPUSHLOG MCPサーバを登録します。
登録形式はMCP規格に沿ったものになります。(具体的にはJson形式)

(MCPサーバ登録画面)

それではClaude desktopのプロンプトに依頼事項を入力します。

(プロンプト入力画面)

そしてIoT電力分析ダッシュボードが作成されました。

筆者は、目の前で起きた出来事に、ただただ驚くしかありませんでした。
もし、「電力データを集めて分析し、グラフ化する」といったアプリを作ろうとすれば、
どうだったでしょうか?

専門の技術者がプログラミング言語と格闘し、長い時間をかけて開発とテストを繰り返す。
仕様をちょっと変更しただけでも、また技術者と時間が必要になる…。
それが「当たり前」の世界でした。

しかし、今回筆者が体験したのは、まったくの別次元の世界です。

やったことは、驚くほどシンプル。
MCPに対応した汎用生成AIアプリに日本語でお願いするだけ。

「PUSHLOGから最新の電力データを取ってきて。各種電力量計算とCO2排出量と増減理由を教えて!
データは表とグラフで表現してね!」

すると、どうでしょう。
AIエージェントがMCPサーバと即座に連携し、ものの数秒で正確なグラフを目の前に提示してくれたのです。
もちろん、プログラミングのコードは一行も書いていません。

この体験で最も衝撃的だったのは、これを専門家ではないユーザー自身が、「こうしたい!」と思い立った時に、自分の言葉(日本語)で実現できてしまうという事実です。

かつて夢物語だと思っていたことが、今、現実になっているのです。
筆者は何度もAIエージェントを、ディズニー映画『アラジン』に出てくるランプの魔人「ジーニー」に例えてきました。
今回筆者が得た感覚は、まさにそれでした。
『ご主人様、お望みは何でしょう?』
そう問いかけてくれる「ジーニー」のように、私たちの言葉を理解し、複雑な仕事でも瞬時にこなしてくれる超優秀なアシスタント。
そんな存在が、もうすぐあなたの隣にも現れるでしょう。

はい、第6回はここまでになります。

次回、第7回は、「ローカルLLM(生成AI)」についてお話します。